高野和明著「ジェノサイド」の登場人物の一覧表です。この小説はフィクションではありますが、現実社会と混然一体となったストーリー展開が魅力の最高のエンターテインメント作品です。
一般に使用されている用語としてのジェノサイドは、「国民的、民族的、人種的または宗教的な集団の全部または一部を、それ自体として破壊する意図をもって行われる行為」を指します(ジェノサイド条約第2条より引用) 。ジェノサイドという言葉自体、重い意味を持つ言葉ですが、その言葉を敢えて小説のタイトルに据えることにより、人類が心の奥底に持つ残虐性に真正面から切り込んだ作品となっています。
小説は、アメリカ、アフリカ、日本と次々と同時多発的に物語が展開しますが、読み進めるうちに、断片と断片が次第に結びつき、全体像が明らかになってきます。長編小説の理解の助けとなるように、登場人物や重要単語の一覧をここに示します。人物名は青字、その他の名称は緑字で表記しています。
書籍の情報
ジェノサイド | 高野 和明 |本 | 通販 | Amazon
2011/3/30 角川書店(角川グループパブリッシング)

| グレゴリー・S・バーンズ | アメリカ大統領 |
| サミュエル・ギブソン(サム) | 海軍中佐 |
| メルヴィン・ガートナー博士(メル) | 科学技術担当の大統領補佐官 |
| チャールズ・ワトキンス | 国家情報長官 |
| ロバート・ホランド | CIA長官 |
| CIA(Central Intelligence Agency) | 中央情報局 |
| NSA(National Security Agency) | 国家安全保障局 |
| USAMRIID(United States Army Medical Research Institute of Infectious Diseases : ユーサムリッド) | アメリカ陸軍伝染病医学研究所 |
| CDC(Centers for Disease Control and Prevention) | 疾病対策予防センター |
| ハインズマン・レポート | シュナイダー研究所が過去に発表した報告書 |
| ウェスタン・シールド社 | 民間軍事会社 |
| ラティマー | 国防長官 |
| ジョナサン・”ホーク”・イェーガー(ジョン) | ウェスタン・シールド社と契約した兵士、元アメリカ陸軍 |
| リディア | ジョナサンの妻 |
| ジャスティン | ジョナサンの息子 |
| マクファーソン | 護衛隊リーダー |
| IED(Improvised Explosive Device) | 簡易型爆弾 |
| VBIED(Vehicle Borne IED) | 自動車爆弾 |
| アル・ステファノ | 宿舎管理責任者 |
| ウィリアム・ライベン | 民間軍事会社ウェスタン・シールド社取締役、デルタフォース元隊員 |
| ガラード | ポルトガル人医師、肺胞上皮細胞硬化症の世界的権威 |
| 古賀研人(コガ・ケント) | 大学院生 |
| 古賀誠治(コガ・セイジ) | 古賀研人の父、大学教授 |
| 古賀香織 | 古賀研人の母 |
| 菅井(スガイ) | 新聞記者 |
| 園田 | 大学教授 |
| 西岡 | 大学院博士課程2年生 |
| ゼータ・セキュリティ社 | 民間軍事会社、ウェスタン・シールド社と協力関係にある |
| マイク・シングルトン | ガーディアン作戦の作戦部長 |
| スコット・”ブランケット”・マイヤーズ | 元アメリカ空軍 |
| ウォーレン・ギャレット | 元海兵隊 |
| ミキヒコ・カシワバラ(ミック) | 元自衛隊 |
| 河合麻里菜 | 文学部学生 |
| 土井明弘 | 臨床系学生 |
| GPCR (G protein-coupled receptor) | Gタンパク質共役型受容体 |
| GPR769 (G protein coupled receptor) | Gタンパク質共役受容体No.769、肺胞上皮細胞の細胞膜で働く受容体 |
| イトゥリの森 | コンゴ民主共和国の東部にある熱帯雨林 |
| ナイジェル・ピアース | 人類学教授 |
| 吉原 | 小児科研修医 |
| 坂井友理 | 古賀誠治の知人を名乗る女性 |
| 浜崎 | 多摩理科大学助教授 |
| NORAD(North American Aerospace Defense Command) | 北米防空司令部 |
| トーマス | ガーディアン作戦における現地ドライバー |
| アラフュ | イトゥリの森にある集落 |
| 李正勲(イ・ジョンフン) | 韓国人留学生、創薬物理化学専攻 |
| 小林舞花 | 6歳女児 |
| 門田 | 警視庁 |
| チェンバレン | アメリカ副大統領 |
| バラード | 国務長官・元統合参謀本部議長 |
| エイカース | 首席補佐官 |
| アーサー・ルーベンス | シュナイダー研究所上級分析官、ネメシス作戦運営責任者 |
| ハリー・エルドリッジ | 国防次官補代理、特別計画室トップ |
| ストークス大佐 | 軍事顧問 |
| ディアズ | CIA局員 |
| フランク・ヒューイット | 画像解析担当者 |
| エシュロン(Echelon) | アメリカ合衆国を中心に構築された軍事目的の通信傍受システム |
| エリック・バートン | 連邦捜査局(FBI)との連絡係 |
| モレル | 連邦捜査局(FBI)特別捜査官 |
| ローガン | Wグループ所属「地球規模問題・兵器システム局」 |
| ジャーゲンス | NSA職員 |
| フィッシャー | NSA職員 |
| デュラン | NSA職員 |
| エイヴリー | 国防情報局員 |
| アンディ・ロックウェル | ゲーム愛好者 |
| デニス・シェイファー | 文化人類学者 |
| ジョゼフ・ハインズマン | ハインズマン・レポートを執筆した研究者 |

コメント
高野和明の「ジェノサイド」は、現実とフィクションが交錯する深みのあるストーリーで、読者を引き込む力があります。登場人物たちの複雑な心理描写が、物語にさらなるリアリティを与えています。ジェノサイドという重いテーマを扱いながらも、エンターテインメントとしての魅力を失わない点が素晴らしいです。この小説は、人間の本質について深く考えさせられる作品だと思います。物語の結末は、読者にどのようなメッセージを伝えようとしているのでしょうか?